
週刊ステラ部 vol.26
北海道を楽しむ
2025.04.18 Fri
石塚 仁
スペース 米と麦 ライスヌードルコメン/
ブーランジェリーコロン[ EAST B1F ]
ブーランジェリーコロン[ EAST B1F ]
皆さんは『幸せのパン』という映画を、ご覧になったことはありますか?
大泉洋さん、原田知世さんが主演の、北海道洞爺湖周辺の「月浦」が舞台の映画なのですが、そこに出てくる「北海道感」が、まあ素敵なこと!
その景色、食、雰囲気、ゆったりさ、豊かさに魅了され、私は、はるばる千葉県から小樽に移住をして、はや7年が過ぎようとしています。いまだに旅行気分の私は「北海道でしか楽しめない、映画みたいなことをする!」を趣味に、子どもたちも巻き込んでいろんなことを楽しんでいます。
例えば、自作の雪板(雪上用のサーフィンボードみたいな)を持って深夜の坂を駆け上がり、パウダースノーを独り占めしたり、獲れたての鹿肉を雪の中に埋めて保冷してみたり(大きすぎて冷蔵庫に入らないので)、道ばたのアカシアの花からシロップを作ったり、北海道生まれの子どもたちの北海道弁を聞いたり、野生動物の写真を撮ったり、雪虫で冬を感じたり、子どもたちと雪を掘って迷路をつくったり、カマクラの中でご飯を食べたり……。


「地元のスキー場」というワードを使うことすら、元千葉県民の私からするとうれしいことです。そんな中でも、一番北海道らしい楽しみといえば「自分の手でメープルシロップを作ること」です。
一般的に、メープルシロップを作るにはサトウカエデの木に小さな穴を開けて、樹液(メープルウォーター)を採取します。このメープルウォーターを40分の1まで煮詰めて濾過したものがメープルシロップです。私の場合は、親戚が所有する山に自生するイタヤカエデ(サトウカエデの仲間の木)でメープルシロップを作ります。穴を開けてホースをセットし、その先をペットボトルにつなぎ、メープルウォーターがたまるのを楽しみにしながら何日か待ちます。
一般的に、メープルシロップを作るにはサトウカエデの木に小さな穴を開けて、樹液(メープルウォーター)を採取します。このメープルウォーターを40分の1まで煮詰めて濾過したものがメープルシロップです。私の場合は、親戚が所有する山に自生するイタヤカエデ(サトウカエデの仲間の木)でメープルシロップを作ります。穴を開けてホースをセットし、その先をペットボトルにつなぎ、メープルウォーターがたまるのを楽しみにしながら何日か待ちます。


といっても、穴を開けたら水道水のように樹液が勢いよく出てくるわけではなく、うまくいっても1日で500mL、悪いときは一週間で100mLも取れない木もあり、樹液を集めるだけでも一苦労です。腰まで埋まってしまうほどの雪深い山中へ、「樹液がたまっててくれー!」とワクワク、ハーハーしながら回収に向かいます。やっとの思いでたまったメープルウォーターを煮詰めていくのですが、それがまた果てしなく大変!
8Lほどの大鍋いっぱいのメープルウォーターを、4、5時間かけて煮詰めて、ようやく出来上がったメープルシロップはというと、鍋底にほんの少しだけ。そのシロップも、ざらざらとしていてそのままではおいしくないので、細かい目の網で裏ごしをして、ようやくメープルシロップが完成します。
ちなみに、私が採取するメープルウォーターは、サトウカエデではなくイタヤカエデなので、店頭で売られているメープルシロップほどおいしくはありません。ただ、出来上がった感動は何物にも代えがたく、「山で金でも採取してきたんじゃないか?」というほどの満足感に浸れます。一滴すら無駄にできない、唯一無二のメープルシロップなのです。
一般的なメープルシロップよりも繊細な香りなので、どう使っていいのか分からず、知り合いの料理人やパティシエと「いつかいろんな人に食べてもらいたいね」なんて話をしながら、結局はそのまま食べてしまいます。
「次こそは、とっておきのレシピを作るぞ!」なんて息巻いては同じことを繰り返し、私は「映画みたいな北海道」を心から楽しんでいます。
そんな私がショップマスターを務める「スペース 米と麦」は、まさしく北海道を感じていただけるお店です。“北海道から「北海道のおいしさ」を発信”をコンセプトに、道産小麦のみを使用したパン屋のboulangerie Coronと、北海道産“米”のおいしさを伝えるブランドで、ゆめぴりか100%の米粉を使った麺を提供しているrice noodle comenを併設しております。北海道愛が満ちあふれる当店に、ぜひ足をお運びください。皆さまのお越しを心よりお待ちしております。
8Lほどの大鍋いっぱいのメープルウォーターを、4、5時間かけて煮詰めて、ようやく出来上がったメープルシロップはというと、鍋底にほんの少しだけ。そのシロップも、ざらざらとしていてそのままではおいしくないので、細かい目の網で裏ごしをして、ようやくメープルシロップが完成します。
ちなみに、私が採取するメープルウォーターは、サトウカエデではなくイタヤカエデなので、店頭で売られているメープルシロップほどおいしくはありません。ただ、出来上がった感動は何物にも代えがたく、「山で金でも採取してきたんじゃないか?」というほどの満足感に浸れます。一滴すら無駄にできない、唯一無二のメープルシロップなのです。
一般的なメープルシロップよりも繊細な香りなので、どう使っていいのか分からず、知り合いの料理人やパティシエと「いつかいろんな人に食べてもらいたいね」なんて話をしながら、結局はそのまま食べてしまいます。
「次こそは、とっておきのレシピを作るぞ!」なんて息巻いては同じことを繰り返し、私は「映画みたいな北海道」を心から楽しんでいます。
そんな私がショップマスターを務める「スペース 米と麦」は、まさしく北海道を感じていただけるお店です。“北海道から「北海道のおいしさ」を発信”をコンセプトに、道産小麦のみを使用したパン屋のboulangerie Coronと、北海道産“米”のおいしさを伝えるブランドで、ゆめぴりか100%の米粉を使った麺を提供しているrice noodle comenを併設しております。北海道愛が満ちあふれる当店に、ぜひ足をお運びください。皆さまのお越しを心よりお待ちしております。