札幌ステラプレイス発 WEBマガジン

ステラ部

5.17
Fri
MAY 2024
週刊ステラ部 vol.8

生きるのって
面白すぎ

2023.07.03 Mon
琢磨 愛里咲
フィント [ CENTER 5F ]

 38。これは何の数字だと思いますか?昨年11月から半年間で私が経験した撮影や、撮影現場の数です。

 撮影現場?疑問に思う方もいるでしょう。フィントって撮影を始めたのですか?と。いいえ、そうではありません。私が個人的に撮影を行なっているのです。現在正社員という状態を続けながら、フィント以外の時間を全て撮影に充てています。フィント、カメラ、寝る。それが私のルーティンです。有難いことに会社でも、この活動を認めていただいております。

 『二兎追うものは一兎をも得ず』という言葉がありますが、私は二兎とも得たい。貪欲なのです。だって人生一度きりだから。二兎とも仕留めるぐらいのエネルギーを出せばいいのです。何度自分がもう1人、もう2人いたらいいかと考えたことか。悩んでいても自分は1人しかいないので、やることは絞らなきゃいけません。私はその一つにカメラを選びました。そして、フィントも全力で続けることを選びました。社内でもこのスキルをいつか活かせたらとも考えております。

 カメラを選んだ理由は2つ。1つ目は撮ることが好きだから。2つ目は自分の世界を広げ続けたいから。

 私はハマったらとことん、突き詰めてしまう性格。なおかつ負けず嫌い。周りの人が驚くくらいのスピードで沼に沈んでいきます。それも道具などにこだわってしまうのでなおさら早く、綺麗に沈んでいくのです。

 カメラに関してもそうでした。友人を撮った時に、私の写真が好きだと言ってもらったことをきっかけに、単純で素直な私は、その言葉のまま受け取りカメラを始めました。そして、「始めるなら、自分の経験値として学び、身に付け、いつかは仕事にする勢いでやらなきゃダメだ!」と覚悟を決めました。

 でも考えました。カメラってお高いんでしょう?その通り。高いんです。レンズ交換ができる一眼レフカメラは安くても10万円前後、高いものだと100万円近いものもあります。もちろんレンズは別売りです。スーパーでお菓子を選ぶ時のように、軽い気持ちで買えるようなものではありません。

 だからこそ、そういった覚悟が必要だと思いました。でもそれって10万円のカメラでいいのだろうか、否。どうせ買うならプロのカメラマンでも使うものを購入した方が無駄使いにならないと。

 結果、購入したのは30万円のカメラ。わお。3倍に値段が跳ね上がりました。さらにレンズや備品などを合わせるとプラス10万円ほどかかります。普通だったら、初めてチャレンジするものに対して、ここまでお金をかけないと思うんです。恐らく。

 でも、ここまで読んでくださった皆さんは薄々お気付きかと思います。多分、きっと、恐らく、普通じゃないことに。そこから半年後の現在、もう1台カメラを購入しました。1台目より少しお高めのカメラです。これが綺麗な沼のハマり方です。お手本のようです。

 さて、それでは一体どんなものを撮影しているのか気になる方がいることでしょうが、基本的にはバンドなどのライブやアーティストのポートレイト撮影などをしています。

 半年前、私の好きなアーティストが、札幌でライブをすることになりました。ちょうど購入にも悩んでいたので、このアーティストに撮影を申し出て、許可が降りたらカメラを購入しようと決めました。無事に許可がおり、そのライブを皮切りに、色々なアーティストを撮り始めるようになりました。色々な撮影現場に入らせてもらい、経験を積む日々を続けている現在に至ります。

 この半年間、普通に過ごしていたら出会わないような方々に出会うことができました。数々のアーティスト、実際に撮影を仕事としているカメラマン、イベントを考える企業の方々……。普通にしていたら、入ることのないようなバックステージなど……。知らないことをどんどん知れるワクワクを常に得られるこの状況が私の活力になっています。

 何も知らない素人スタートの私が、半年間という短い期間でたくさんの撮影に関われていること、シャッターを切れていること。今まで自分自身が築き上げてきた人間関係や、取り組んできた出来事が全て繋がっているような感覚でした。そうやって偶然の重なりで出会った人や出来事との縁を、自らが行動することで広げていった結果が、今の私の忙しい日々につながっているのだと思います。睡眠時間は8時間から半分の4時間に。12時間以上寝ることができていた昔の私が知ったら驚くことでしょう。
 カメラを始めることになった半年前、歩くことにハマった時期がありました。とにかく体力をつける、筋肉をつけることに意識が向いていた時期でした。そのころは1日8時間以上、休みの日はひたすら歩いていました。休みの日だけじゃ足りず、仕事終わりにもよく歩いておりました。友人には、「それは最早働いているね」と言われました。そのおかげでかなり体力も筋肉もつき、体調を崩すこともかなり減りましたし、何より心が元気な時が圧倒的に増えました。今思えば、この謎にハマった「歩く」ということも、今の状況に繋がる準備だったのかと思います。

 フィントの勤務後、ライブハウスに行き撮影する日もあれば、休みの日に撮影の予定を一日入れたり。月に一度、連休が取れた際には、フィントが終わった後に飛行機に乗り、道外に撮影にいったり……。何も予定が無い日がほとんどなくなりました。今の状況の中でいかに経験を早く積むことができるかを考えて過ごしています。

 また、このカメラを趣味から仕事にすることで、本来のフィントがおろそかになってしまっていると思われるのは、負けず嫌いの私としては絶対に嫌なこと。そのため今まで以上に接客や店頭以外の業務、スタッフのサポートに回ったり、店長の補佐を行うような動きに注力しています。そして、お客様との会話を誰よりも楽しむことも一番大切にし続けたいです。

 先人の知識を学びながら、葛藤している毎日。自信を持って言えるのは、今が一番最高に楽しいということ。そして、これはピークではなく、更にもっと最高に楽しいことが待っているんだと確信を持っています。

 何かに挑戦したい人、今からでも遅くないかと迷っている人。人生一度きりなので、とことん楽しんで挑戦してみてほしいです。生きるのって面白すぎ。
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